大善寺玉垂宮鬼夜

2021年08月17日

大善寺玉垂宮鬼夜

久留米市大善寺町の大善寺玉垂宮で国指定重要民俗文化財の「鬼夜」が行われた。鬼夜は、千六百年以上前悪人を松明で照らして捜し討ち取ったという故事に由来し、大晦日の夜から正月七日まで行われる鬼会神事の最終日に行われ、天下奉平、五穀豊穣、家内安全などを祈願した。
午後九時半ごろ、一番松明に火が点じられると、他の松明にも点火され、6本の大松明が冬の夜空に燃え盛った。高校生以上五十代までの氏子約四百人は各町内にわかれ、向こうはちまきさらしの腹巻に締め込み姿。直径1メートル、長さ十三メートル、重さ1.2トンの松明を長さ3メートルほどの樫棒四十本で支え上げて、神殿を右回りに回った。松明は氏子総出で作ったもので、大きな孟宗竹三本を中心に入れ芯にして、細い笹竹と真竹で二重に包み、先端にスギの葉を入れて縄で縛って作る。六本仕上げるのに約四時間がかりとのこと「鬼夜が終らないと一年が始まらない」と話す氏子ら。
「コーノツ、シヨーイ」との掛け声が響き境内を埋め尽くした観衆は幸せを願いながら、火祭りの豪快さに酔いしれます。